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東京高等裁判所 平成6年(ネ)5036号 判決 1995年6月28日

控訴人(原告)

根本雅嗣

ほか一名

被控訴人(被告)

川松亀蔵

主文

一  原判決を次のとおり変更する。

二  被控訴人は、控訴人らそれぞれに対し、各金一一七万〇六七三円及びこれに対する平成四年八月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  控訴人らのその余の各請求を棄却する。

四  訴訟費用は、第一、二審を通じて一〇分し、その一を被控訴人の、その余を控訴人らの負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人は、控訴人らそれぞれに対し、各金七五〇万円及びこれに対する平成四年八月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

(なお、控訴人らは、当審において、右のとおり請求の減縮をした。)

二  被控訴人

本件控訴を棄却する。

第二事案の概要及び証拠関係

本件事案の概要は、原判決の「事実及び理由」中の「第二事案の概要」(原判決一枚目裏七行目から同三枚目裏五行目まで)に記載のとおり(ただし、原判決二枚目表三行目の「土浦」を「一土浦」と改め、同三枚目裏四行目の「弁護士費用」の次に「(損害合計四三三八万一一四二円、ただし本訴は、そのうちの一部請求である。)」を加える。)であり、証拠の関係は、原審記録中の証拠に関する目録記載のとおりであるから、これらをここに引用する。

第三争点に対する判断

当裁判所は、控訴人らの本訴各請求は主文第二項の限度で正当としてこれを認容し、その余は失当としてこれを棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決の事実及び理由中の「第三 争点に対する判断」に記載のとおりであるからこれをここに引用する。

一  原判決三枚目裏八行目の「証拠(」の次に「甲一、」を加え、同四枚目裏七、八行目の「二・〇メートル」を「二・一メートル」と改める。

二  同五枚目裏四行目の「その左側」から同九行目の末尾までを次のとおり改める。

「その左側は、車線の通行区分帯を示す破線(原判決別紙図面参照)まで約二・一メートル、歩道まで約五・八メートル空いていたのであるから、夜間であつても前方を注視していれば、容易に本件事故を回避することができた筈であるところ、亡茂は、前方を注視せず、すでに交差点内に入つてその中央付近で停止している状態の被控訴人車(被告車)に衝突したものであること(したがつて、本件事故は交差点におけるいわゆる出会い頭の事故とはいえないものである)などを考慮すると、亡茂には前方不注視等の過失があり、その程度は大きいというべきである。

そして、右の双方の過失を比較考量すると、亡茂の過失は少なくとも五割を下らないものというべきであるから、過失相殺として、本件事故により亡茂が被つた後記損害の五割を減ずるのが相当である。」

三  同六枚目表七行目の「甲一」を「甲二」と、同一一行目の「国家資格」を「二級自動車整備士(ガソリン、ジーゼル)の「国家資格」と、同六枚目裏六行目の「二三年間」を「四三年間」とそれぞれ改める。

四  同七枚目表七、八行目の「六割を控除すると、二五七一万三〇七六円となる」を 「五割を控除すると、三二一四万一三四六円となる」と改める。

五  同七枚目表一一行目の「残額はないこととなる。」を「残額は二一四万一三四六円となる。」と改める。

六  同七枚目裏一行目の冒頭から同五行目の末尾までを次のとおり改める。

「三 弁護士費用 二〇万円

本件訴訟の難易、右認容額、訴訟の経緯等を考慮すると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は二〇万円(控訴人らにつき各一〇万円)と認めるのが相当である。」

四 以上の事実によれば、控訴人らの本訴各請求は、被控訴人に対し、それぞれ、損害賠償金一一七万〇六七三円(亡茂の損害の二分の一と弁護士費用)及びこれに対する本件事故発生の日の後である平成四年八月一五日から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金の各支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。」

第四結論

よつて、右と結論を異にする原判決を変更し、右の限度で控訴人らの本訴各請求を認容し、その余を棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法九六条、八九条、九二条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 丹宗朝子 市川頼明 北澤章功)

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